小林麻美さんのイヴ・サンローラン Part 2
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実はこの日、まだ半分は別の場所に保管されていると伺ってびっくり。
もうしばらくしたら向かい側の壁も全てラックが整って残りの半数が
展示されるとのことで、まだ続きがあるなんてワクワク…

このマニッシュなジャケットにパールのピアスを合わせたら、
どんなにエレガントで素敵だろう…と思い浮かべました。

色違いで置いてあったので麻美さんのかなりお気に入りのものだったのかも
しれませんね。生地の張り感とサイドのプリーツがおしゃれな巻きスカートも
とっても素敵で今着ていても新鮮な気がします。

麻美さんのワードローブの中から自分なりのコーディネートを考えてみたり、
なんて贅沢な時間…。いつの時代もそれぞれにあるファッションの素敵さ、
流行に流されない素敵さ、お洒落を楽しむことのワクワク感を実感しました。

淡い色合わせが本当に素敵で、これはトレンチコートなのかな?
と思って手に取ったら驚くほどの重量感だったシルクのコートドレス。
ウェストから下の後ろ部分を広げると円形になるほどの分量が使われていて、
トルソに着せてみると布の重みでウェストを留めるボタンが外れてしまいそうな
ほどで、まさにドレスと言う雰囲気。着る場を選ぶであろう贅沢な作りは、
本当にお洒落が好きな人しか着こなせないものだと思いました。

ウエストに巻いてデザインを観察。色と素材が素晴らしいので
ディテールの撮影し甲斐がありました。

黒のトリミングが施された最高にエレガントな銀色のスカート。
この日、このスカートを見る事が1番の目的でした。

リムジンからジェット機へ銀色のスカートとハイヒールで駆けていく姿は、
ファッションに夢中になり始めた中学時代の自分にとって衝撃的に素敵で、
その衣装は麻美さん私物のイヴ・サンローランであるという事が当時の
ファッション誌のインタビューに書かれていて、麻美さんのファッションへの
思いが綴られていました。そんなエピソードにも憧れて、このスカートは
鮮烈に記憶に残り、以来私の中でずっと伝説的存在だったからです。

時を経て、まさかまさかこんな日がやってくるなんて…
あれから30年の月日が流れているんです。

そしてウェスト部分もベルベットのデザインになっていることも
今ようやく知ることができました。

もう芸術的に美しくて、素材感や分量全てが計算されていて
本当にうっとりするほど贅沢で美しいスカートでした。

私がファッションへ興味を持ち、今こうして物創りをしている世界観の
ルーツとなった憧れの小林麻美さんが愛用したワードローブの数々を
実際に見る事が出来、その洗練されたセンスに間近に触れて、自分の中で
変わる事なくずっと好きなものを再確認して、ますます物創りへの情熱が
湧いた興奮の一日でした。次回、今回は拝見できなかった洋服たちを見る
際には、また新しい素敵な発見がある事を期待して…。
※日本服飾文化復興財団
ルドゥテのホームページ