憧れ

高校生のとき、街より少し離れたところに、アンティークショップや
こじんまりとした素敵なブティックが何軒か入っている
小さな隠れ家のようなビルがありました。

その中にあった、パリの香りが漂う素敵なブティック。
そのお店の素敵なお姉さんに憧れて、お休みになると、
何度も何度も足を運んで、一生懸命“お洒落になりたい”と、
夢見る日々でした...。

そのお姉さんは日本に住んでいるけど、まるでここはパリなの？
そう思ってしまう程にシックなお洒落で、当時密かに注目されていた
“BCBG”を思わせるスタイル。

シャネルの丸首カーディガンに、シックなウールのパンツ、
足元にはJ.M.ウエストンのローファーや、エルメスのフラットシューズ。
そして、いつも注目すべきはブローチの使い方と
エルメスのスカーフを本当にさらりと上品に巻いている事。
高級ブランドに身を包んでいても、嫌みなく自然で本物のパリのマダムのよう。
シックな装いには、パールのロングネックレスをかけていました...。

高校生の私には、眩しすぎる素敵な存在のお姉さんが
今思えば当時20歳を少しすぎたくらい、というのが信じられないくらい
大人の雰囲気で、とても洗練されていて完璧な感性...
いま思い出しても、本当に“お洒落のお手本”となる素敵な女性でした。

そのお店のBGMでかかっていたのがこの曲。
大貫妙子さん、他にもエリックサティなど、洋服だけじゃなく
私の知らない素敵な事を沢山教えてもらった思い出の場所です…。

“素敵なお姉さん”は、もうずっとお会いしていませんが、
いつまでも素敵に歳を重ねていることと、思いを馳せながら…。
沢山のお洒落なことを教えてくれた憧れのお姉さんに心の中で
ずっと“ありがとう”と、思っています…。


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