どこから見ていいのか迷ってしまうほど沢山の洋服たち。
実はこの日、まだ半分は別の場所に保管されていると
伺ってびっくり。もうしばらくしたら向かい側の壁も
全てラックが整って残りの半数が展示されるとのことで、
まだ続きがあるなんてワクワク…
女性用スモーキングジャケットはまさに
イヴ・サンローランですね。このマニッシュな
ジャケットにパールのピアスを合わせたら、
どんなにエレガントで素敵だろう…と思い浮かべました。
わぁ♡これ素敵! と、取り出したシルクのノースリーブ
ブラウスは色違いで置いてあったので麻美さんのかなり
お気に入りのものだったのかもしれませんね。
生地の張り感とサイドのプリーツがおしゃれな
巻きスカートもとっても素敵で今着ていても新鮮な
気がします。
このシルクトップスとこのスカートを合わせたらまさに
今も素敵かも♪なんて麻美さんのワードローブの中から
自分なりのコーディネートを考えてみたり、なんて贅沢な
時間…。いつの時代もそれぞれにあるファッションの
素敵さ、流行に流されない素敵さ、お洒落を楽しむ
ことのワクワク感を実感しました。
ブルーグレイとアイボリー…淡い色合わせが本当に素敵で、
これはトレンチコートなのかな?と思って手に取ったら
驚くほどの重量感だったシルクのコートドレス。
ウェストから下の後ろ部分を広げると円形になるほどの
分量が使われていて、トルソに着せてみると布の重みで
ウェストを留めるボタンが外れてしまいそうなほどで、
まさにドレスと言う雰囲気。着る場を選ぶであろう
贅沢な作りは、本当にお洒落が好きな人しか着こなせない
ものだと思いました。
一緒に添えてあったベルトを“これでいいのかな”と
考えながらウエストに巻いてデザインを観察。
色と素材が素晴らしいのでディテールの撮影し甲斐が
ありました。
そしてガラス扉を開けて1番に手に取ったのは…
黒のトリミングが施された最高にエレガントな銀色の
スカート。この日、このスカートを見る事が1番の目的でした。
『
哀しみのスパイ』のプロモーションビデオのラストシーン…
ファッションに夢中になり始めた中学生の私にとって
リムジンからジェット機へ銀色のスカートとハイヒールで
駆けていくドラマティックな姿は衝撃的に素敵で…
その衣装は麻美さん私物のイヴ・サンローランであるという
事が当時のファッション誌のインタビューに書かれていて、
ご自身のファッションへの拘りが綴られていました。
そんなエピソードにも憧れて、このスカートは
鮮烈に記憶に残り、以来私の中でずっと伝説的存在
だったからです。
伝説のスカートを目の前に感無量な私。
時を経て、まさかまさかこんな日がやってくるなんて…
あれから30年の月日が流れているんです。
光沢のあるシルクをトリミングしている部分はベルベット
でした。そしてウェスト部分もベルベットのデザインに
なっていることも今ようやく知ることができました。
さすがイヴ・サンローランご本人が手掛けている時代のもの。
もう芸術的に美しくて、素材感や分量全てが計算されていて
本当にうっとりするほど贅沢で美しいスカートでした。
最後にお気に入りを集めて撮影。
私がファッションへ興味を持ち、今こうして物創りを
している世界観のルーツとなった憧れの小林麻美さんが
愛用したワードローブの数々を実際に見る事が出来、
その洗練されたセンスに間近に触れて、自分の中で
変わる事なくずっと好きなものを再確認し、ますます
物創りへの情熱が湧いた興奮の一日でした。
次回、今回は拝見できなかった洋服たちを見る際には、
また新しい素敵な発見がある事を期待して…。